一般公道でも走行できるオフロード「デュアルパーパス」
バイクの分類としてよく見かけるのが「オフロードバイク」ですが、これは正確には公道以外で使用するモトクロス競技のためのバイクのことをいいます。
そこで競技用のオフロードバイクを一般公道でも走行できるようにカスタマイズを加えたものを「デュアルパーパス」や「オン・オフモデル」と言ったりします。
「デュアルパーパス(dual purpose)」という言葉には「2つの用途」という意味があり、公道とオフロードの両方を快適に走行できる仕様になっているということを示します。
ですので一般のバイクショップなどで「オフロードバイク」と呼ばれているものは実質的には「デュアルパーパス」であると言えます。
よく似た言葉に「マルチパーパス(multi purpose)」というものがありますが、こちらも「多目的・万能」という意味の言葉ですので自動車やバイクの区分で使用されるときにはだいたい同じようなものと考えてよいでしょう。
デュアルパーパスは125cc~250ccまでの中型排気量の単気筒モデルが中心となっています。
1990年くらいまでは各メーカーが2ストローク車・4ストローク車と区別しつつ数多くの排気量でラインナップするかなり力を入れたジャンルだったのですが、現在ではモデルは落ち着きそれほど多くの新車はありません。
これはオフロードを走行するときには車体に重量がありすぎると走行がしづらいということを受けてのことです。
そこで見た目はオフロードに近いけれどもどちらかというと公道走行に適した装備の割合を大きくした「ビッグオフ」というバイクで区別をしていたりします。
オフロード/デュアルパーパス/ビッグオフの人気車
オフロードバイクとして分類されるバイクの最大の特長は、径が大きくて細めのオフロードタイヤと長いフロントフォークです。
タイヤが大きいことからシート高も他のバイクより高く、乗車位置からの目線が高くて見晴らしがよいというメリットがあります。
デュアルパーパスの中でも人気が高いバイクとしてはまず「ヤマハWR250R」があります。
他にもヤマハ「セロー250」などはオフロードタイヤを使用したバイクで最も人気と知名度が高いバイクと言ってよく、このジャンルのヤマハの強さが伺えます。
ビッグオフやモタードと言われている一般公道走行車に近いオフロードバイクとしての代表車にカワサキの「D-TRUCKER X」や、BMW「R1200GSアドベンチャー」といったところが挙げられます。
これらはタイヤがオフロードバイクで使われるチューブタイヤではなく一般公道で使用されるチューブレスタイヤになっているところに大きな特長があります。