マンホールや白線など滑りやすい場所を把握して回避する
雨天時の路面には、晴れている時とは比較にならないほど滑りやすい「罠」が潜んでいます。 代表的なものがマンホールや道路の継ぎ目にある金属プレート、そして横断歩道などの白線です。 マンホールなどの金属部分は濡れると摩擦係数が極端に低下し、まるで氷の上のような状態になります。
また、白線の塗料には反射材として微細なガラスビーズが含まれていることが多く、これも水分を含むと非常に滑りやすくなるのです。 走行中はできるだけこれらの上を通過しないライン取りを心がけましょう。 もし、カーブの途中などで避けられない状況になった場合は、その上を通過する一瞬だけバイクを直立させるのがポイントです。
車体を傾けたまま滑りやすい箇所に乗ると、タイヤが横滑りして転倒するリスクが高まります。 路面状況を遠くまで観察し、危険箇所を事前に予測する運転を意識しましょう。
ブレーキ操作はリア主体にして「じわり」とかける
雨の日の減速において最も重要なのは、ブレーキのかけ方と前後配分を変えることです。 通常、乾燥した路面では制動力の高いフロントブレーキを主体に使いますが、雨天時はリアブレーキの比重を増やしましょう。 濡れた路面でフロントブレーキを強くかけすぎてタイヤがロックしてしまうと、ハンドル操作が効かなくなり、即座に転倒してしまう恐れがあるからです。
目安としては、晴天時が「前7:後3」であれば、雨天時は「前5:後5」や、状況によってはリアをさらに多めに使っても良いでしょう。 リアタイヤであれば、万が一ロックしても車体のコントロールを立て直す余裕が生まれます。
また、ブレーキレバーやペダルの操作は「ガツン」と急に入力せず、「じわり」と優しく握り込むように行うことが大切です。 タイヤのグリップ状況を探りながら、慎重に速度を落とす技術を身につけましょう。
急のつく操作を避けて車間距離を十分に確保する
雨天走行の基本原則として、「急発進」「急ハンドル」「急ブレーキ」といった「急」のつく操作は絶対に行わないようにしましょう。 路面とタイヤの間の摩擦力が低下している状態で急激な力が加わると、タイヤのグリップ限界を簡単に超えてしまい、スリップを引き起こします。 アクセルを開ける時も、ハンドルを切る時も、全ての動作を丁寧かつ滑らかに行うことで、タイヤが路面を捉え続けることができるのです。
また、雨の日は制動距離が伸びるため、前方の車両との車間距離を十分に確保することも忘れてはいけません。 晴天時の1.5倍から2倍程度の距離を空けておくことで、突発的な事態にも余裕を持って対応できるようになります。
視界が悪く、シールドが曇りやすい雨天時は、情報の発見も遅れがちです。 速度を控えめにし、心と時間にゆとりを持った運転を心がけることが、何よりの安全対策となるでしょう。

